基準不明確、小売り懸念 「消費税還元セール」を禁止



政府は22日、2014年4月の消費増税に合わせ、増税分の価格転嫁を円滑にする特別措置法案を閣議決定した。
「消費税還元セール」を禁止するというが、基準が不明確だとの懸念や販売促進を法律で規制することへの反発の声が上がっている。

特措法案は商取引で立場の弱い中小企業などの納入業者が納品する際、増税分を価格転嫁できない事態を防ぐことが狙いで、今国会での成立を目指している。
消費税を購入者から貰わないようなイメージを強調する「消費税還元セール」を禁止し、消費税分をポイント還元して次回購入分に使えると宣伝することも認めない。
納入業者が資本金3億円以下の中小企業の場合、仕入れ側で増税分の価格転嫁の拒否を禁じ、転嫁拒否の監視強化のため「消費税価格転嫁等対策室」を設置、悪質な場合は公正取引委員会が是正勧告と企業名の公表をする。
特措法は今国会での成立を目指し、期限は17年3月まで。

政府は経済政策でデフレ脱却し、企業収益増で賃金上昇、結果消費が増えて経済成長という好循環を描いている。
しかし、今回のような企業の価格競争を縛る法律では、消費の冷え込みも招きかねない。
消費増税が実施される頃は、消費者の賃金や購買力の上昇が不十分だと予測され、小売りが安さを演出する工夫が必要だと思われ、販促活動の規制が強すぎることは懸念材料だ。

小売側から値下げ圧力もそうだが、一番の心配は消費の冷え込みで商品が売れなくなることだ。
1997年に消費税が3%から5%に引き上げられた際、イトーヨーカ堂などが消費増税分の還元セールを実施し、買い控えしていた消費者が動いた。
特措法でスーパーのセールが大きく規制されると、常時安値のディスカウント店に客を奪われる可能性もあり、想定外の価格競争が過熱する危険性も否定できない。
消費税還元セールの具体的なガイドラインを示し、線引きを明確にしないと小売業者が委縮し販売への悪影響も心配される。


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